ITは解決ではなく、それ自体が問題の一部である。
2009年 4 月 30日
「『IT以前』の問題は本当にあるのか?」(佐藤治夫・日経ITPro、4/27)という問題提起は、とても刺激的でいろいろ考える手がかりを与えてくれた。ITがビジネスにとっての与件である以上、「IT以前」に解決しておく問題はあり得ない、と佐藤氏は言う。「IT以前の問題だ」などと言って課題の整理を要求する“システム屋”は、想像力に乏しく、付加価値を追求しない、つまりユーザーにとってのパートナーではない、ということだ。さすが多くの開発プロジェクトに携わったコンサルタントだけあり、この連載(「ダメな“システム屋”にだまされるな」)は価値がある。 Read more
「グリーン」は製造業=ITの救世主となる。たぶん
2008年 12 月 22日
なぜ「グリーン」か:緑色はドルの色
オバマ次期大統領には、人を楽観的にさせる能力があると言われている。しかし逆境にあって楽観的になる能力は、もともと移民=難民の国であるアメリカ人の国民性でもある(ますます“悲壮”になる日本人と対照的)。次期政権の政策の柱でもあり、輝きを増しているのは”Green”というキーワードで、いまITを中心に、ほとんどあらゆる種類のメディアに登場しない日はない。理由を考えてみると、ざっと以下のようなところだと思われる。きりがいいところで「7大原因」としておく。 Read more
OMGがサステナビリティ推進へGCIOを吸収
2008年 12 月 14日
OMGは12月11日、協力関係にあったGreen Computing Impact Organization (GCIO)を吸収すると発表した(邦訳リリースはこちら)。GCIOは、企業や組織のサステナビリティを促進・向上させる評価モデルの開発・普及などを目的に2008年に設立された団体で、OMGにおいてGCMM (Green Computing Maturity Model)という仕様を開発していた。 Read more
モビリティ・インフラとビッグスリーの再生
2008年 11 月 24日
米国の再生は製造業=自動車から始まる
中国などを除き、世界経済はマイナス成長に入った。その幅がわずか1%であっても、企業経営に大きなダメージを与える。11月17日、ベリングポイント(旧KPMG)の株価は6セントをつけて取引停止に追い込まれ、その2日前にはサンホセの半導体系スタートアップ企業SiPortで、解雇に怒った技術者が、なんとCEO、副社長、人事部長の3名を射殺して逮捕された 。仔細は不明だが、これも経済と関連づけられている 。目下の焦点は、しかしITなどよりは自動車(とくに米国ビッグスリー)である。直接間接に300万人以上の雇用に関係する一大産業の命運は、彼らの生活にも、世界経済にも大きな影響を与える。もちろんITも例外ではない。 Read more
破壊と創造の「大不況」時代
2008年 11 月 12日
2008年の年頭では、マクロ経済は不況色を強めるものの、ITには及ばないという楽観的な見方が大勢だった。しかし、秋以降の金融恐慌はそれを完全に吹き飛ばした。当初、「金融恐慌は起きない」と信じられていた。1929年当時と違って中央銀行があるからとか、主要国の国際協調が強固であることが理由とされた。すべて根拠はなかったことが証明された。 次いで「実体経済健全説」が言われた。しかし、これも世界の政策担当者、エコノミストの間で完全に否定されている。現在問題となっているのは、結局のところ戦争によってしか大不況を脱出できなかった1930年代の再現を避けることができるかどうかだ 。 Read more
マイクロソフトがOMGに参加
2008年 9 月 22日
マイクロソフト社がOMGに加入し、MDAの標準化活動に参画することになった(9月10日のリリース=英・日)。OMGのソーリー会長からひと月ほど前、マイクロソフトのUMLに対する姿勢が(6月のTechEd以来)大きく変わったと聞かされてはいたが、MS製品におけるUMLやXMIのサポートは、以前から様々な形でなされていたし、また Oslo プロジェクトでも新しい「宣言型言語」の発表が中心になると言われたこともあり、それをもってMDA(もちろんMicrosoft-Drivenではない)にコミットするとはなかなか信じられなかった。OMGとほぼ20年近く付き合ってきた筆者として、なかなかに感慨深いものがある。 Read more
「組込み」から「コデザイン」へ
2007年 12 月 18日
ビジネスと組込みの接近
【鎌田 博樹/本誌編集長】ソフトウェアは、対象範囲を広げることによって、ビジネス、組織、機械、工場や交通機関など多種多様なシステムと「システムのシステム」の設計と実装、運用と最適化に関わるようになった。短期間に大きな変化を経験したのは、組込みソフトウェアの世界である。品質や生産性のボトルネックとしての組込みソフトウェアの重要性について認識が日本でも高まったのは結構なことだが、問題は企業や政策担当者の中に、これを「ものづくり」の中の、完結した工程として捉える傾向が強いことである。 Read more
「現実的リエンジニアリング」論
2007年 9 月 26日
リーダー的人材を”淘汰”した現代の日本
「リーダー」とか「リーダーシップ」という言葉を目にしない日はないほどで、正直うんざりする。相変わらず空疎な願望のオンパレードだからである。「理念」や「強靭」といった漢語や、「アカウンタビリティ」などの外来語を並べて、今こそそうした資質を持ったリーダーが必要だ、という展開。NHK 大河ドラマが、戦国モノ(と維新モノ)ばかりやるのも、日本人の「リーダー像」をほかで求められないからだろう。 Read more
モデリングをどう学ぶ(教える)か
2007年 8 月 22日
【鎌田 博樹/本誌編集長】「MDDイニシアティブ学習会」(1)(7月26/27日、東京・品川)は、新技術紹介と教育・啓発的な内容とがバランスして、よいセミナーだった。スティーブン・メラーとともに、長年実行可能なモデルと取組んでいるコートランド・スターレット(2)の講演では、レゴ・ロボットを使ったモデリング教育を、大学低学年から高校にまで広げて成果をあげている事例が紹介された。モデリング教育は早期ほどよく、プログラミングを知らない学生のほうがモデリングになじみやすい、という。これはプログラマーほどモデリングになじみにくいという経験的事実とも合致するし、確かにそうだと思う。問題はそこからである。つまり、モデリングが避けられないテーマであるとした場合、
- 中高等教育におけるモデリング教育はどうあるべきか
- IT技術者のモデリング教育はどうあるべきか
- 非ITスタッフのモデリング教育はどうあるべきか
ということである。やや手に余る課題だが、ここでは上記3点について考えてみたい。 Read more
SOA 時代の「ユーザーのIT スキル」
2007年 7 月 24日
【鎌田 博樹/本誌編集長】「IT ユーザー」の範囲が広がって久しいが、ユーザーにとってどんなIT のスキルが必要かを明確にすることは、IT が浸透するほど難しくなってきたような気がする。経産省は6 月、『情報システムユーザースキル標準~IS 機能の可視化による組織力向上のために』という報告書を発表した[註1]。 これはIT スキル標準(ITSS)、組込みスキル標準(ETSS)に続く、SS シリーズの3 弾目にあたる。IT とET が主として「開発」に関わる人材であるのに対して、UI はビジネスのサイクル(PDCA)に関わるIT 人材にフォーカスしている。Web の登場以来、IT 技術の性格は急速に変化しており、それがIT ユーザーにとっての「仕事」も変えつつある。その速度も方向も判然としない中で、安定性がもとめられるSS を定義するのは、誰にとっても難しい。 Read more






